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【就活のリアル転載】適性検査 意外な結果? 気分で変化、企業は理解 上田晶美(2018/7/10付日本経済新聞 夕刊)(2018/07/17)


 最終面接に受かって内定を得た女子学生のSさんが内定報告をしに来てくれた。その面接の中で「人と話すのが苦手と適性検査に出ていますが、そんなことはなさそうですね」と確認されたという。

 Sさんは平均以上に大変明るい人で、笑顔でくったくなく話ができ、友達の多い人だ。それなのに「適性検査では……」と言われたことに、びっくりしていた。そんなに本人の実像と違う結果が出ていたとは。もしも適性検査だけで判断されて面接前に落とされていたら、と思うと冷や汗ものである。

 適性検査についてある企業のベテラン人事担当に聞いてみたところ、「適性検査の性格診断はそれだけをうのみにすることはありませんが、気になれば面接では確認しますね」と言う。例えば、営業希望なのに、社会的内向性が強く、対人面で控えめ、交際が狭いなどの傾向が見られると要注意であり、面接で確認するということだ。

 10年以上、採用に携わっている担当者でも、適性検査を活用しているということに驚いた。うのみにはしないと言うが、会う前からバイアスがかかっているということだ。

 私が疑問に思うのは学生時代の性格と、入社して研修を受けた後の姿は違うのではないかということだ。先述の担当者は「確かに伸びしろはあります。過去の採用経験から、学生の時点での検査結果と入社後の成長した変化を私なりに蓄積しています。データではなく感覚的なものですが」という。そこは人事の勘どころというわけだ。

 またこうも言っていた。「適性検査にはブレが生じるということもわかっています。2度受けると結果がまるきり変わる人もいるようですね。受けた時の気分次第で変わるということもあると思うので、1から5までの判定結果で、1~2くらいは幅を見ていますよ」

 適性検査は採用試験の中で20年以上続いており、蓄えられたデータは膨大なものだ。その分析を多くの会社が活用しているのは、信ぴょう性があるということの一つの証しではある。しかし、受けた時の気分次第でブレが生じるということも多くの人が証言する。

 前出のSさんは適性検査の中の設問で「人前で話すのが苦手」「多くの人と話すより、少人数の人との会話を好む」という回答をしたような気がすると言っていた。本当に苦手かというと、どちらかというとそうかもしれないという程度なのに、正直にそう答えたという。面接がうまくいかない学生のみなさんは適性検査の受け方を少し見直してみるといいかもしれない。企業はけっこう参考にしている。

(ハナマルキャリア総合研究所代表)http://hanamaru-souken.com/


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