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【人生の扉を開く・・・就活Q&A】入社した企業で頑張るべき?(2018/07/19)


〇入社した企業で頑張るべき?

 キャリアアドバイザーは、学生さんが希望の仕事に就けるようアドバイスすることが役割です。しかし、学生さんの中には就職後のことについて尋ねてくる人もいます。
 「入社したところが自分に合っていなかったら、すぐ辞めたら良いですか?それとも頑張るべきですか?」

〇大学新卒入社者の3割が3年以内に退職!?

 厚生労働省の統計「新規学卒者の離職状況」によると、大卒新入社員の3割が3年以内に辞めています。そして、この状況は30年前からほぼ変わっていません。
 そう説明すると、学生さんの中には、「3人に1人辞めているなら、自分も辞めていいのだ」と思う人がいますが、ここは少し踏みとどまって統計の中身をしっかり見てみるべきです。
 採用人数の規模別では、採用人数が少ない企業ほど離職率が高いです。採用人数が5人未満の企業では入社3年以内離職率が約6割であり、1000人以上の企業では約2割です。
 業種別では、「宿泊業・飲食サービス業」、「生活関連サービス業・娯楽業」、「教育・学習支援業」、「医療・福祉」の離職率が約5~4割と高く、「電気・ガス・熱供給・水道業」や「製造業」、「金融・保険業」が約1~2割と低いです。
 入社する時点で、採用人数規模別と業種別を絡めて退職リスクの少ないところを選択するというのも一つの判断になるでしょう。また、したい仕事や今後の成長が予測される企業に挑戦するのもよいでしょう。ここで私が言いたいことは、企業規模や業種によって離職率に大きな差があること、それを知って入社決心をすることが大切ということです。

〇退職、勤務継続、退職慎重検討の切り分け線。
 入社した会社が自分に合わないと思ったとき、辞める方が良いか、辞めない方が良いか、いろいろ意見があると思いますが、私は次のように考えます。
1)早期に退社した方が良い場合
 ①上司が法律違反の行動を指示する場合
 ・自分が犯罪者になることを避ける必要があります。
 ②長時間労働やきつ過ぎる仕事で、自分の健康や命に危険を感じる場合
 ③労働契約が守られない場合
 ・例えば賃金支払いや超過勤務手当支払いがない場合などです。

2)勤務を継続した方が良い場合
 ①上記1)の「早期に退職した方が良い場合」以外は、基本的に勤務を継続した方が良いです。
 ・新卒で入社したときは、社会、入社した企業の実態、配属された職場の状況、上司や先輩との人間関係作り、そして仕事そのものについて、ほとんど分かっていないのです。分かっていないのに、「この会社は自分に合っていないのでは?」と思うこと自体が、厳しいことを言うようですが、謙虚さに欠けるのです。
 ・昔から「石の上にも3年」と言われますが、まず3年は頑張ってみてください。諸状況が分かってきてから転職を考えても遅くありません。
 ・転職する際には、労働条件や将来性などが、新卒で入社した企業より良いものにはなかなか巡り会えるものではない、という現実も知っておくことが必要です。

3)退職を慎重に検討した方が良い場合
 ①上記の1)ではないが、入社した企業で勤務を継続する気にはなれないときは、退職するかしないかを慎重に検討する必要があります。
 ・民間企業が行っている、新卒入社者で3年以内に退職した人の退職理由調査では、「キャリアの成長が望めない」がトップで退職者の約25%でした。
 ・しかし、入社3年以内で、その職場が本当にキャリアの成長が望めない職場でないと分かるのか、私は疑問を感じます。
 ・自分には合わないと思う仕事も、やり続けるうちに意外と合っていると、感じるようになることもあります。
 ・現在の職場ではキャリアの成長が望めないから、もしくは他の理由から退職を考え出したときは、自分一人で考えずに、親とか兄妹、信頼できる知人などに状況を説明して相談し、慎重に判断することをお勧めします。


鏡 清澄(キャリアアドバイザー)


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