今日、企業の社会的責任(CSR)は、世界規模でその考え方や取り組みの深化が注目されています。
2010年11月には、あらゆる組織のための社会的責任(SR)の国際規格としてISO26000が発行され、その柱として「人権」が位置づけられました。その潮流にも伴い、国際的なCSRに関するガイドラインや指針において、人権の分野が見直されるなど、人権尊重の重要性が以前にも増し、高まっているといえるのではないでしょうか。
このような状況をふまえ、企業の社会的責任CSRの遂行として人権尊重の重要な取り組みである公正な採用や、それに関連する企業内の人権研修および関係機関との情報連携や情報共有を行い、企業として人権尊重の社会づくりに貢献していくために、推進組織を設立して取り組むことといたしました。
企業において公正な採用や人権研修に「どのように取り組んだらいいのか」「取り組み方がわからない」「ノウハウ、スキル、人材の確保が大変で、なかなか取組みが進まない」など、企業の悩みも少なくありません。当センターでは、定期的に採用責任者・担当者向けの研修を実施していきます。また、ホームページでの情報提供やメール機能を活用した個別相談も行います。
企業の採用における不適切事象は後を絶たず、公正採用選考人権啓発推進員制度の運用にも多くの課題があげられています。基本的人権である就職の機会均等が保障されている状態を確立していくために、企業としてあらためて制度の意義や公正な採用について理解する必要があります。
また、ISO26000の趣旨のもと、人権CSRとして「差別への加担」や「デューデリジェンス(当然行うべき、正当・必要な努力)」が企業の課題としてクローズアップされています。
企業は「公正採用」「人権研修・啓発」の取り組みを更に充実させるとともに、人権CSRとして、より高度なものにしていくことが求められています。
そうした企業の取り組みを充実・高度化していくために、これまでにない新たなシステムを構築するとともに、それを担う新たな組織として「一般社団法人 公正採用人権啓発推進センター」を企業自ら設立することにいたしました。