知っておきたい就活情報

【就活のリアル転載】説明会の投映資料は撮影NGデジタルマナー、身に付けて 上田晶美(2017/12/4付 日本経済新聞 夕刊)(2017/12/11)


 大学の講義はパワーポイントで資料を見せながら進めるのが常だ。それを印刷して配ることもあれば配らずにノートを取らせることもある。

 講義なのでノートを取ることは基本だが、講師によっていろいろとやり方が違うから、私は資料を配らないときは「ノートを取って」と伝えるようにしている。そうすると、パシャっとスマートフォン(スマホ)で写真を撮る学生がいる。

 これはマナー違反である。自分の通常の受け持ちクラスであれば「写真を撮るのは著作権侵害になることもあるのでしないように」と学期の初めに伝えておく。だが単発の講義の場合、それを事前に伝えられないことも。その場で言うと、学生に不満顔をされてしまった。

 「ノートくらい取りましょう。書かないと覚えられないよ」と言うと、いまどき、書いて覚える習慣などないと言われたこともある。

 そもそも、講義中にスマホをしまうように指導しているので、ノートに書き留めるのは基本である。

 ところが、このマナー違反が学生だけではないことにあぜんとした出来事があった。

 ある社会人向けの講演会に参加したときのことだ。「スマホの電源を切ってください」と事前に指示があったにもかかわらず、講師が投映するパワーポイントをパシャリパシャリとスマホで撮る人がいるのだ。それも一人ではなく、一人が始めれば何人も右にならえで撮り始める。

 そのシャッター音も気になるし、いい大人がこれでは情けないと感じた。学生のお手本どころか、社会人にもデジタルマナーを徹底しなくてはならない。

 また、あるイベント会場で仕事をしたところ、案内の女性がスマホを出してはチラチラ見ていた。

 仕事中に何をしているのかと注目していたら、時計代わりに時間を確認しているらしい。腕時計をしていないのだ。時間を区切り来客者に知らせる係で、時間管理が主たる業務なのにもかかわらずだ。

 聞いてみると大学生のアルバイトだった。だが、仕事場では大学生であろうが、社会人であろうが同じだ。スマホをチラチラ見ているなど、もっての外である。

 デジタルマナーは学生も大人もしっかりとしたい。就活の時は安いものでいいので必ず腕時計をすること。会社説明会でスマホで投映資料を撮影しないこと。当然ながら、歩きスマホもNGだ。そんなことも就活が始まる前に確認しておきたい。

(ハナマルキャリア総合研究所代表)http://hanamaru-souken.com/


     

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