前回に引き続き、女性の職業選択について、少し書いてみたい。
総合職は幸せになれるのか、というようなことを書いたら、「女性の幸せ、家庭のあり方などは変化していると思う」というご意見をいただいた。
私もまさしくその通りだと思う。時代は変わったとわかっていながら、女子学生たちは結婚には意外と古い固定概念を持っていると感じている。
結婚に関して言うならば、最近私の周囲に、いわゆる「バツイチ」さんが急激に増えつつあることに気づいた。
それが良いとか悪いとかではない。現実として、年間に62万組が結婚し、21万組が離婚する時代だそうだ。これだけ多く離婚していれば、周囲にバツイチさんが増えてきたのも、実感として間違いではないと思う。
離婚すると起こってくるのが、子どもの問題だ。親のどちらかが引き取ることになり「ひとり親世帯」となる。
2017年12月、「全国ひとり親世帯等調査結果」が厚生労働省から発表された。それを見ると大人2人の世帯に対して、大人1人の世帯というのは、当然ながら収入が少ない。
それも母子家庭の場合でいえば、母が働いて得た年間収入はわずか約200万円。父子家庭の父は約400万円と倍の開きがある。
そのため、厚労省の別の調査では母子家庭の83%が「生活が苦しい」と訴えている。うち45%が「大変苦しい」と挙げた。母子家庭の母の8割は働いているというのに、生活苦にあえいでいるのだ。
なぜそんなことになるのか。男性でも女性でも、子どもを預けて働くということは、残業はできない、子どもの病気で不意にお休みする、という条件は同じはずだ。何が違うのか。
それは男性は従来型の正規雇用で働いているのに対して、女性は非正規雇用だということだ。母子家庭の半数が非正規雇用である。
男性は結婚などのライフイベントで仕事を辞めることは少ないが、女性は結婚、出産でいったん辞めているケースが多い。そうなると、また再就職して正規雇用というのはなかなか難しく、非正規の道を選ばざるを得ないということだ。
就活を始める女子のみなさんに一度考えてほしい。「家庭の幸せ」という漠然としたものをうんぬんするよりも、まずは一人でも一生食べていける仕事を探すことだ。
いつまでも親には頼れない。むしろこちらが世話をする側になる。現代の女子の一生には、リスクがあることを知ってほしい。
(ハナマルキャリア総合研究所代表)http://hanamaru-souken.com/