知っておきたい就活情報

【就活考転載】企業研究の進め方 事業内容や組織図に着目 上田晶美(2026/2/16日本経済新聞 夕刊)(2026/02/24)


 「企業研究はどのようにすればよいですか」と都内の私立大学3年生の女子が質問してきた。何をしているのか聞いてみると「ネットでホームページを見ています」という。さらにどこを見ているかを聞くと「企業理念」だそうだ。

 多くの企業のホームページは冒頭に「企業理念」や「創業精神」を掲げているため、学生が目を通すのは自然な流れである。

 例えば「幸せを量産する」「三方よし」「やってみなはれ」。どれも100年近くかそれ以上続く有名企業の「企業理念」である。そこには営々と受け継がれてきた創業以来の哲学があり、表現も個性的で非常に魅力的だ。社員が誇りを持てる言葉であり、企業の精神的な軸となっている。

 多くの企業がこのような「社会貢献」「公共性」「チャレンジ精神」を理念としてうたっており、最近では「サステナブル(持続可能)」が必ずといってよいほど付け加えられる。

 「社会貢献」の「社会」も、地域社会から国際社会へと広くグローバルにとらえられるようになった。「ビジョン」「パーパス」などカタカナ語が増えてきたのも近年の特徴だ。

 こうした企業理念やビジョン、パーパスなどはどれも「社会の公器」としての役割を自覚した立派な理念であり、学生がそれを知ること自体には意味がある。しかし、就職する上で、働く現場を具体的にイメージする材料とはいえないのではないだろうか。

 では、ホームページを見て企業研究する場合、何を優先すべきか。第一に「事業内容」を研究することである。消費者として抱いている企業イメージと、実際の事業の中身が大きく異なるケースは少なくない。例えば、家電製品のイメージが強い大手メーカーでも、売上構成比を見ると、IT技術や鉄道、エネルギー関連事業が大きな割合を占めていることがわかる。

 第二に「組織図」である。どのような部署があり、それぞれがどの事業を担っているのかを見ることで、企業の実像がより具体的に見えてくる。インターンシップで参加希望の部署を記入させる企業も多い。

 テレビCMや消費者としての印象にとどまらず、「自分が会社の中で働く」という視点で一歩踏み込むと、企業研究は格段に面白くなる。わからないことはOB訪問の際に聞いたり、大学のキャリアセンターでホームページを見たりしながら、一緒に検討してもらうのも有効だ。

 かつては会社説明会に参加し、会社の概要について説明を受けるところからのスタートだった。今では公表されている情報は自分でホームページを見て読み取り、把握する時代になっている。ホームページを丁寧に見て、納得のいく就活にしてほしい。
 
(ハナマルキャリア総合研究所代表)http://hanamaru-souken.com/



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