〇誰しも、給料は多い方が良い
人は就職先を選ぶとき、どんな仕事をしたいか、働き易い職場か、将来性はあるか、自分がその企業に入れるかなどいろいろ考えると思います。それらはとても重要なことですが、誰しも声高には言わないものの、働いた結果の給料はどの程度もらえるのかが気になります。ざっくばらんに言えば、「給料は多い方が良い」とほとんどの人が思うでしょう。
ところが多くの学生さんは、アルバイトはしたことがあっても、これまでに企業などで社員として働いたことがありませんので、社員の給料がどんな体系でできているのか知りません。「給料の多い・少ない」を比較しようにも、正しい比較の仕方が分からないのです。そこで、給与体系の難しい話は極力避けて、直接的に給料が多く支給される会社を知るためのポイントを以下に述べます。就活の参考にしてください。
〇月給でなく年収で比較する
学生さんが親しい友達と就活の話をしているときに「そこ、月給いくら?」とよく話しているのが耳に入ってきます。また、マイナビとかハローワークの求人情報を検索しているときに重視している項目は「月給」という答えを聞きます。確かに20万円の月給は19万円の月給よりも高いです。しかし、月給だけで収入を考えると「損をしてしまう」ことがあります。
求人情報には月額給与のほかに賞与の前年実績というものが載っていますので、月給と賞与を加えた年間の収入で考えることが大切です。例で計算してみましょう。
A社・・・月給:20万円、前年賞与実績:年間(夏冬合計)で1か月
B社・・・月給:19万円、前年賞与実績:年間(夏冬合計)で2か月
の場合、それぞれの会社に入社して獲得できる年収は、
A社・・・月給20万円×12か月+賞与20万円×1か月分=260万円
B社・・・月給19万円×12か月+賞与19万円×2か月分=266万円
となります。この例ですと、月給の安いB社の方が年収は多くなるのです。
求人情報に掲載されている賞与金額はあくまで前年実績であり、賞与でもありますから、入社年度には変化する可能性があります。ただ、同一業種・同一企業では、大きな経済変動や技術変化がないかぎり賞与月数はそれほど変化しないというのもまた過去の実績です。
続きは次回に述べます。
鏡 清澄(キャリアアドバイザー)