前回は年収で比較することを述べましたが、そのほかにも直接的に給料が多く支給される会社を知るためのポイントがあります。
〇残業代は支給されるか?
給与はごく大雑把に言いますと基本給と手当で成り立っています。そして手当の1つとして、超過勤務手当があります。超過勤務手当と残業手当は厳密に言いますと賃金割増の有無など違いがあるのですが、一般には両方まとめて残業代と言われていることが多いです。
収入の比較をするときに見落としてはいけないことが、この残業代です。所定の労働時間を超えて働いた分については、労働基準法で残業代を支払うように定められています。しかし、残業代を月額給与に含めている企業が結構あるのです。企業によっていろいろな考え方と表現方法で残業代の扱いを求人情報に掲載していますから、注意深く読み取ってください。例えばこんな表示です。
A社・・・基本給 :18万円、時間外労働:月平均20時間
営業手当: 3万円
給与合計:21万円
B社・・・基本給 :19万円、時間外労働:月平均5時間
時間外手当:別途支給
給与合計 :19万円+α
C社・・・基本給 :17万円、時間外労働:月平均10時間
固定残業手当: 4万円(*)
給与合計 :21万円
*30時間分の固定残業代。それを超える分は追加で支給。
A社の場合、残業代は別途支払われるのか、営業手当に含まれているのか、教えてもらう必要があります。
B社の場合は、分かり易いです。
C社の場合は固定の残業手当を決めていて、それを超える分について追加で支給するという方式で、一般に「みなし残業手当」と呼ばれています。ここは、時間外労働が月平均10時間で、30時間分の固定残業手当の支給がちょっとアンバランスのような気がします。固定残業代を含めて給与合計を大きく見せているとも言えそうです。
〇通勤費は全額支給されるか?
正社員の場合、通勤費は実費支給されることが多いですが、企業によって、上限なしのところと、上限ありのところがあります。上限なしのところは心配ありませんが、上限ありの場合は、自分の住んでいる場所から勤務先までのバス・電車・地下鉄の費用(定期代)を考える必要があります。その費用が上限を超えると自分の給与から持ち出しになり、収入としては減ることを意味します。通勤費の上限は企業によって異なり、月額2万円までとか3万円とかが多いようです。
派遣社員として働く場合や、将来パートで働く場合は、この通勤費の問題は十分チェックしてください。正社員では実費支給される通勤費が、派遣社員やパートの場合、支給されないことや少額上限(例:1万円)であることが多いからです。
前回と今回で3つのポイントを述べましたが参考にしてください。
鏡 清澄(キャリアアドバイザー)