〇企業研究なしは熱意なし
採用試験において企業研究をしないで応募した学生は、企業側から「自社に入りたいという熱意なし」と見られます。本当に入社したいなら、どんな会社であるかを調べ、そこでどんな働きをしたいという希望を持って受験するはずだと思っているのです。
景気状況が良く、就職は売り手市場だと言われる昨今、何社受けても採用されない人は企業研究が出来ていたか振り返ってみてください。
〇企業研究の仕方
貴方が入社したいと望む企業から内定通知を得るには、応募する企業のことをしっかり研究する必要があります。研究の具体的方法としては次のようなことが挙げられます。すべての応募企業に対して全部を行うことは時間の関係で無理かもしれませんが、いくつかは組み合わせて行ってください。
①応募企業のホームページや社員採用パンフレットなどを熟読してください。
その企業のモットーや社是、目指している方向などはどんなものかを知ってください。また、それらはあなたの考えや信条に合致しているか考えてみてください。根本のところが合わない場合はその企業への応募はやめた方が良いです。
企業が現在注力している分野、今後取り組もうとしていることを把握してください。そして、それに自分はどのように貢献できるか、自分の持っている能力や経験がどう役立つかを考えてみてください。
②応募企業の商品を使ってみてください。
受ける企業の商品を見たり、使ったりしてください。食品会社を応募するなら、そこの商品を食べてみてください。ちょっと触れただけでもその企業に対する愛着度合いは数段高まるでしょう。
そして、この点が素晴らしい、ここはもう少しこのように改善したらもっと良くなる、というようなことが言えるようになると、グループディスカッションや面接でも自信をもって話をすることが出来るようになります。
③応募企業の事務所や店舗の様子をチェックしてください。
受ける企業の事務所や店舗が自宅や学校の近くにある場合は、できるだけそこを覗(のぞ)いてみてください。外から見ただけでも、雑然としているとか、明るい雰囲気だとか分かることがあります。
一般の人が中に入れる銀行の支店や商店の店舗であれば、実際に中へ入って預金とか物品購入とか何か質問とかをして、社員の対応を見てください。こういうところで一緒に働きたいな、と思うような場所であると良いですね。
④ライバル企業のホームページや新聞の該当業界ページで、業界の動きを知ってください。
応募する企業のライバル企業がどんな方針を打ち出しているか、具体的にどんな施策を実行しているかは、応募企業としても対応が迫られている問題である可能性があります。ライバル企業と同じようなことを行うのか、あるいはライバル企業の行動を踏まえて別なことを行うのか、それらを考えて自分はどんな仕事を行いたいと考えると企業研究の内容が深まります。
〇企業研究結果を効率的に使う
限られた時間の中、効率的に企業研究を実施し、活用するためには次のことをアドバイスします。
①完璧を期さなくて良いですから、ざっと簡単にでも前述の企業研究をしてみてください。
「ゼロ」と「少しやった」の差は思いのほか大きいのです。
②企業研究した企業のライバル企業を受けてください。
絶対に応募した企業でなければイヤというのでなければ、第一志望の応募企業とは別に、そのライバル企業を受けるのです。そうすれば、応募企業の研究で知ったり考えたりしたことや業界課題などがライバル企業にも活用できます。
鏡 清澄(キャリアアドバイザー)