〇学生からの相談
手書き履歴書と指定されていますが、文字には全く自信がありません。どうすればいいでしょうか」という相談でした。
履歴書はパソコンで可ということも増えつつある中で、あえて手書きと指定されているのには、もちろん採用側の意図があります。
以前、採用担当者に聞いたことがありますが、「履歴書を見て、字に清潔感がある、意志がはっきりしている、安心感がある、こういう履歴書を見ると面接したくなりますね」ということでした。昔から「字は人柄を表す」という言葉があるのです。
実力があるのに字だけで判断され、次に進めないとあっては、受験者から見れば大変残念なことです。何とか履歴書の選考は無事に通過して、面接など本格的な段階で実力を発揮したいものです
もし字に自信にあれば、ここはチャンスとばかり思いっきり魅力的な字を書きたいところですが、字に自信のない場合は、ここは大いに工夫しなければなりません。
〇どうすれば評価される履歴書を作れるか
私は次のようなことを勧めています。
まずは、1.丁寧に、2.下線に沿って、3.漢字はやや大きく,かなはやや小さく、字をそろえる。これでかなりいい履歴書が書けます。
それでも書き損じが続き、思うように書けない場合は、鉛筆で薄くきれいな字になるように下書きをする。その鉛筆の字の上をしっかり見ながら書いていきます。書き終わった段階で、下書きの鉛筆を消すときれいに書くことができます。
それでも「うまく書けない」と相談に来ることがありますが、次のような文字の練習を勧めます。
パソコンのワードで、手書き文字に近い正楷書体などの書体で履歴書の文字を適当な大きさで文字化します。それを切って白紙の履歴書にしっかり貼りつけます。次にこの履歴書の上にやや薄めの下の文字が写る紙を上に乗せ、無心になって下の文字を写していきます。1週間ばかり1日3枚程度書く練習をすると、自分でも驚くほど上手になります。この練習は決して無駄ではありません。
履歴書がパソコンでも可と書かれていた場合でも、採用側が、試験会場で自分の字で作文などを求める場合がかなりあるからです。
採用試験には、字の練習は欠かせないと考えておくことが大切です。そして練習すればちゃんと効果が出るのです。
阪井 輝昭(キャリアアドバイザー)