研修会

2025年度公正採用実務責任者研修会(2025年7月11日)

今年度の「公正採用実務責任者研修会」は、「DE&I、その中でも特に女性活躍推進」をテーマに取り上げて、「大阪労働局からの案内」「㈱資生堂による講演」の二本立てで開催しました。来場者も過去最多で、質疑応答も活発、講演後は名刺交換が絶えないなど、大変盛り上がった研修会となりました。以下にその概要を紹介します。

■大阪労働局からの案内

 

 

 
 
 
・タイトル
「女性活躍推進」に関連する施策・制度について」
・ご登壇
雇用環境・均等部 指導課 雇用環境改善・均等推進指導官 近藤恵様
・案内の概要
日本の「ジェンダーギャップ指数(世界経済フォーラム)」は、今年度も「118位/148国」という残念な結果だった。1985年に「男女雇用機会均等法」が制定されて40年が過ぎたが、なかなか改善しない実態がある。
確かに、総労働力人口に占める女性比率は45%と高まっており、M字カーブも緩やかになってきてはいる。しかし一方で、依然として女性の正規雇用比率は低く、男女賃金格差も縮まっていない。特に女性管理職比率は国際的にも際立って低い。
原因は様々あるが、特に「仕事と生活(出産・育児)の両立の難しさ」と「男性の育児参加の低さ」は無視できない。
「女性活躍推進法の施行・改正」などを受け、厚生労働省としても積極的に企業の取組みを支援すべく、「各種制度・マニュアル・データ公開」などの施策を強化してきている。しかし、いくら施策を強化しても、これらを有効活用するのは企業である。是非、これまでにも増して、「現状の分析・課題の設定・実効性のある行動計画」に取り組んでいただきたい。      (センター啓発事業委員による要約)

■㈱資生堂による講演

 

 

 

 

 
 
 
・タイトル
「資生堂の〈DE&I・女性活躍推進〉戦略」
・ご登壇
資生堂DE&I戦略推進部長 山本真希様
・案内の概要
女性活躍推進に取り組む企業の多くが直面するジレンマに「マミートラック」「インポスター症候群」「子持ち様」がある。それぞれ、「制度設計や運用」「女性自身の意識」「周囲の意識」についての“困りごと”である。言い方こそは新しいが、いずれも古くからある未解決課題である。また、女性のキャリアには「四つの関所がある」とも考えている。「社会人スタート期の男女格差(配属・業務アサインなど)」「育児・仕事の両立(大変さ)」「リーダーとしてのキャリア意識(満腹感)」「幹部ポジションで疎外感(改めての男性社会)」である。特に問題を難しくしているのは、これらの多くの問題が、「アンコンシャス(無意識・無自覚)」によって起きているというということだ。
資生堂もこれらの課題に直面してきた。苦労を重ねて、ひとつ、またひとつと乗り越えてきたが、今もまだ発展途上段階である。今日、国内の女性管理職比率は40%(海外も含めると59%)を越えるが、20年前は10%程度に過ぎなかった。
原動力は、資生堂は社員の82%が女性であり、女性が活躍しなければ、企業としての成長が果たせないという危機感であった。また、ジェンダー(年齢・国籍・キャリアも)の同質性は、企業のイノベーションを阻む“最大のリスク”であるという課題認識であった。
特に前者は資生堂ならではの問題である。そういった意味で、当社は他の企業よりも少しだけ早く「女性活躍推進」に取り組まざるを得なかった訳である。具体的な施策は多岐にわたる。そのポイントは「本人のモチベ―ション」も勿論だが、「会社(特に上司)の関与」だと感じている。そこで、特にポイントとなったのが「パフォーマンスマネジメント」である。上司との1on1で「目標設定・軌道修正・成果評価」のサイクルをしっかり廻していくことで、働き方の見直しや、スキルアップ、キャリアビジョンができてきた。
勿論、これらの施策に正解はない。施策は、各社の状況・特性に応じて工夫していくべきものだし、資生堂もまだまだ試行錯誤の最中である。ただ、ハッキリしていることはある。それは、女性活躍推進を含むDE&Iは、「人的資本を有効に活用するために」「イノベーションを起こすために」、最も重要な経営戦略であるということだ。                 (センター啓発事業委員による要約)

資生堂様の講演資料は、当センターHPの「会員コーナー」からダウンロードいただけます。是非、ご活用ください。
なお、次回「公正採用実務担当者研修会」は、以下の概要(予定)で開催します。
是非ご参加ください。※正式なご案内は9月上旬までお送りします。



前のページに戻る

入会のご案内
入会のご案内