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【就活のリアル転載】公務員面接試験の秘策 学生同士で練習+プロの指導 上田晶美(2017/8/28付 日本経済新聞 夕刊)(2017/09/04)


 地方公務員試験の最終面接の時期になった。公務員試験は昨今、筆記だけでなく面接も同様に重んじるようになってきている。その比率は1対1といわれるほどだ。

 売り手市場になると公務員試験は志望者が減るといわれているが、オリンピックを控えて東京都の職員の人気は落ちることはない。相変わらずの激戦区である。

 そんな中、都内のある小規模大学では、東京都特別区の希望者7人全員が合格したという。どんな秘策があったのか聞いてみた。

 それは学生の自主的な活動だったそうだ。7人が学部学科を超えて、自主ゼミをつくり、自分たちで大学の教室を借りては、お互いに面接練習をしたという。自主的であるということと、チームワークで励まし合ったという点がポイントのようだ。

 今の若者はチームワークが好きだ。「空気を読む」ことを積み重ねてきており、1人で行動することは苦手な傾向があるように感じる。

 以前、親としてある高校の学校説明会に行った時に驚いたことを思い出す。「我が校は大学受験をチームワークで乗り切ります」と説明されたのだ。勉強がチームワーク? といぶかったものだ。勉強とは1人で向き合う、孤独な闘いだと思っていたが、今や学力さえもチームワークで支え合うことで向上するのか。

 その点、就活対策についてはチームワークはありかもしれない。面接での自分の姿を人に見てもらい、客観的な視点で練習することが有効だからだ。

 ただしその際、プロの指導というのも随所で必要になってくるとは思う。学生の視点だけでは足りないところを補うためだ。実際、前述の大学では公務員試験を専門に指導する先生もいて、適宜相談に乗ってもらったという。

 公務員試験の場合、悩むのは志望動機になる。「地元に帰りたい」とか「地元に貢献したい」というのでは当たり前すぎる。その中でもどんなところに焦点を当ててアピールするか。自分の長所や、学業の経験と結びつけると説得力が増す。

 逆に自分に関係ない土地だと、自分との接点を説明することに注力しなければならない。そういった面は指導者がいると相談できるだろう。

 最近の地方公務員試験の志望動機は「観光」「少子化対策」「高齢者対応」に集中している。その3つは競争相手が多いので、別の切り口を探すのもいい。地元希望の人はその利を生かして、地元ならではの情報を織り込みたい。

(ハナマルキャリア総合研究所代表)http://hanamaru-souken.com/


     

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