「2018就活」は内定式が終わり、終盤を迎えた。次の「2019就活」が始まろうとしているところだ。就活は卒業年、入社年で表すので、2019年というとずいぶん先のようだが、今年の3年生だ。2年生は2020年、1年生は2021年になる。
今年は空前の売り手市場で、複数の内定をとり、楽に就活を終えた人が多かった。25年間就活を見てきた身としては、バブル崩壊、リーマン・ショックなど、就職一つとっても生まれた年で人生は大きく変わるのだな、とつくづく思う。
では、この「売り手市場」はいつまで続くのか。私が受け持つ現在の大学1、2年生の「キャリアデザイン」の講義では、「売り手市場は続かないよ」と警告している。
この好景気がいつまで持つかは予測不能だ。ただ一つ決まっている景気変動要素は東京オリンピックであり、それが2020年ということ。今の日本の好景気はオリンピック需要だけではないが、世界のオリンピック開催国を見ると、オリンピックの後は必ずと言っていいほど、景気は後退するといわれている。
もちろん先のことはわからないが、少なくとも、今年のような売り手市場はもう続かないのではないか、と推測せざるを得ない。
今年「オリンピックに携わりたいから東京都庁を受験する」という人もいたし、オリンピックに関連するスポーツ用品などの企業は軒並み人気が上昇している。2019就活、2020就活の学年はオリンピック関連業種を希望に織り込むのもありだろう。
心配なのは2021就活。今の大学1年生だ。自由な時間のある大学在学中にオリンピックがあるというのは楽しみのようだが、オリンピックの開会式は7月24日の予定。それから8月9日までが会期で、早い予選などは7月22日から始まるとされている。
大学は夏期休暇に入っているが、今年の就活でいえば、まだ半数くらいの人しか内定はない時期だ。就活のピークが8月とすれば、オリンピックを尻目に自分は就活、という戦いが必要かもしれない。しかも入社後は景気後退局面となる可能性もある。
ともかく夏休みにオリンピックを楽しむためには、夏までに就活を終わらせておかなくてはならない。あくまでもこのままの就活日程であればということだが。
来年のことを言うと鬼が笑うとのことわざもあるが、低学年は「先輩ほど甘くない」ことを覚悟して、今できる準備をしっかりとしてほしい。
(ハナマルキャリア総合研究所代表)http://hanamaru-souken.com/