知っておきたい就活情報

【就活のリアル転載】すぐに飽きる学生たち 「知っている」だけでは不十分 上田晶美(2019/1/29付 日本経済新聞 夕刊)(2019/02/05)


 ある大学の就職講座の担当者と打ち合わせをしていたら、「最近の学生は集中力が続きませんよね。すぐに飽きてしまう学生が多い気がする」という心配の声を聞いた。座って講義を聴くだけでは集中力を持続できずに、ついスマホを見たくなってしまうようだ。まあ、これは学生だけではない気もするが。

 聴講の際、集中力を持続できないことについては、いろいろな理由が考えられる。ひとつには情報が身の回りにあふれており、知っているつもりのことが多く、興味が持てないのかもしれない。

 特に就職活動の知識、ノウハウについては、いくらでもインターネットから得ることができ、学生は知っているつもりになっている。もちろんネット情報は内容の真偽をしっかりと見極めなくてはならないが、多くの情報にすぐ触れることができるようになったのは素晴らしい環境である。

 だが、「知っている」だけで満足して先に進まないのでは就職「活動」にはならない。

 講師としては伝え方を工夫して説得力を持たせ、いかに行動に移させるか、やる気にさせるかがポイントだ。講義を受けたら即行動できるようにする。そのためにもアクティブラーニングは有効だ。「知っている」と「できる」の間には、大きな壁があることが理解でき、「飽きる」ことの対策にもなる。

 いかにやる気にさせるか。そのためにはアクティブラーニングで、「できない自分」を知ることは大きな気づきになる。

 私は講義の中で、必ずワークを入れてその場で実践させるようにしている。自己分析ならば「ワークシート」にその場で書き込ませる。サラサラと書き進める学生が多い中で、書き出せない学生については、気づきも多いだろう。

 グループディスカッションならば、短い時間でも実際にグループにして話し合いをさせる。発言できる学生と黙ってしまう学生がいるのは一目瞭然だ。面接であれば、実際に面接の入室の仕方だけでもやらせる。人の面接を見ることで発見がある。動画を撮って自分で見ることができれば、自分の固さ、笑顔がでないことにあぜんとするかもしれない。

 「知る」という段階は重要だ。ただし就活については「知っている」だけでは、どうにもならない。黙って座っていても何も始まらないのだ。就職「活動」なのだから。

 どんな活動をするのか。知ってはいても行動できるのか。正しい知識を知っているつもりだけでなく、行動に移してみよう。みなさん! いよいよスタートの時期です!

(ハナマルキャリア総合研究所代表)http://hanamaru-souken.com/


     

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