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【就活のリアル転載】学部専攻ESでどう表現 「企業収益に寄与」意識を 上田晶美(2019/2/12付 日本経済新聞 夕刊)(2019/02/19)


 エントリーシートの準備に忙しい今の時期、就活生からよく出る質問の一つに「自分の学部学科の専攻と、志望する業界が関係ない場合はどうするか」というものがある。

 理系の場合、過去にも指摘したことがあるが、専攻と志望業界が違うとなかなか厳しい状況になる。まずは理系としてのリテラシー、論理性や分析力などをアピールすることになる。

 文系でも似たようなことがある。経済や商学、法学などの社会実務系の学部は一般企業の就職に有利だが、その他の文学系、教育、心理などはあまりアピールできない場合が出てくるからだ。ただし、文系は専攻が違っても理系ほどの苦労は少ない。つまり文系は専攻が仕事に結びつかないケースが多く、これは現在の日本の大学教育の問題点の一つともいえる。

 各社のエントリーシートの多くに学業について書かせる欄がある。そこには事実を書くしかないが、文学系の専攻はあまりアピールにならないし、「学生時代に力を入れたこと」に書きづらい場合もあるので注意してほしい。

 例えば、教育学部の就活生が日本の教育について熱く語り、教員免許も取得予定となると、一般企業の面接では必ず「先生にならなくてもいいんですか」と聞かれる。それ相当の答えを用意しなくてはならない。

 また、心理学専攻の場合も気をつけてほしい。最近の高校生には心理学が人気で、どこの大学も入学者が多く、偏差値も上がっている。だが、入学して学んでみると考えていた世界とはズレが大きいようだ。心理学というのは心の病にも相対する重い世界で、それ相当の覚悟が必要と気づかされる。大学院に行って「臨床心理士」にまでなる人はほんの一握りとなる。

 学んだことは貴重だが、一般企業に就職するのに、あまり心理学について深く語っても、「この人自身のメンタルは大丈夫なのか」と思われる可能性がある。今の企業はメンタルヘルスについて過敏だ。

 せっかく採用した新入社員がメンタル不調で辞めるのはできるだけなくしたい。企業は面接を通じてストレス耐性を見る質問をあれこれ用意しているのに、自分からその方向に話をふるのは危険すぎる。「消費者心理についても学んだ」と言えるように企業の収益活動に寄与できるところも押さえ、こうした内容を書けるようにするといい。

 その他の文学系専攻の人も、単にエントリーシートの書き方の問題だけでなく、経済の知識が少ないことを認識し、勉強してほしい。そうして、自分の専攻と志望業界を結びつけられれば、それは逆に武器になる。

(ハナマルキャリア総合研究所代表)http://hanamaru-souken.com/


     

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