知っておきたい就活情報

【就活のリアル転載】女子大入学者が増加 キャリア教育・就活指導が充実 上田晶美(2019/5/14付 日本経済新聞 夕刊)(2019/05/21)


 女子大学の入学者が増えているという報道があった。主要女子大学の志願者数は5.6%増という。この少子化の中、女子大学の人気は衰えるどころか、増加中ということだ。

 短期大学の廃止の波が一段落し、その分の希望者を四年制の女子大学が吸収しているのかもしれない。それにしても、これだけ男女共同参画社会やジェンダー教育、ダイバーシティーなどといっているのに、女子大学の入学志願者が増えているというのは奇妙なようにも感じる。

 私自身は共学で育ったが、現在は講師として7対3で女子大学の仕事が多く、非常勤講師をしている2校もどちらも女子大学である。なので女子大学の良さ、指導のしやすさは日常的に肌で感じている。女子大学のメリットは特に就活指導の面では大きいといえると思う。

 今の女子大学はかつての「良妻賢母」教育とは違い、「ビジネス志向」に大きく転換している。女子のキャリア教育に力を入れ、低学年からキャリア系の講義が充実している。また、比較的に少人数のところも少なくなく、目が行き届き、個別指導ができるというメリットがある。就活の際、学生が取り残されないよう個人に目が行き届くのは大事なことだ。

 学生全員と個別面談するという女子大学は多い。ある女子大学では、4年になり就職先を連絡しないでいたら、職員が、授業が終わる時に教室の出口で待ちかまえていて、「どうするの? 行き先がないなら、まだ求人はあるよ」と言ってきたそうだ。そこまで個人個人の就職を見届けてくれるというのは、保護者からすれば安心である。その女子大学の就職率は99.4%という。

 「では女子大のデメリットって何ですか?」とある女子大学での講義の後、女子学生から質問された。何事にもメリットとデメリットの両方がある。女子大学のデメリットは「男子がいない分、企業の口コミ情報が偏る」ということだろう。

 どうしても男子と女子では志望する業界の傾向が多少違う。例えば、女子には重厚長大産業や、建設等の業界を志望する人は少なく、サービスや消費財の業界偏重になる。そこは口コミ情報が少ないだけのことなので、自分で調べてみればよいだけだ。デメリットを知っていればカバーできる。

 では、共学大学の女子のデメリットは何か? 男女平等が当たり前で空気のように自然に感じすぎているという点かもしれない。現実の民間企業の管理職(課長以上)に占める女性の割合は7.2%にすぎないことを認識して就活に挑んでほしい。

(ハナマルキャリア総合研究所代表)http://hanamaru-souken.com/


     

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