「サマーインターンシップでエントリーする企業候補はこれらでいいのか、見てもらえませんか?」。有名大学の男子学生がインターンシップの申し込み企業について相談に来た。学生に人気のある名だたる有名企業を30社あまり挙げている。大手ばかりに申し込んでおり、しかも志望業界がバラバラで不安になったらしい。
その30社の選定理由を聞くと「A社は父の仕事の関連会社、B社は兄が勤めている会社、C社は母がいいと言っているので」という。家族のおすすめも大事だけれど、自分の意思はどこにあるか聞いてみると、「子供のころから好きだった自動車会社」だそうだ。
自分の好きなものから企業を選ぶのは決して恥ずかしいことではないので、自動車業界Dを入れて、家族の意見も尊重し、A、B、C、Dの会社が入る業界を志望業界としてみた。そこにそれぞれ中小の企業を探して加えていくと、志望マップができあがった。
サマーインターンシップの申し込みの際、選定したきっかけは正直、何でもいいと思う。選び方がわからなくて立ち止まるくらいなら、親のすすめでも、子供のころから好きなものでもいいので、そこから探してみる。自分に向いているかどうかを検討するためインターンシップに参加するのだ。はじめから「これがやりたい」という強い志望動機があればそれに越したことはないが、ある人の方が少ないものだ。
ただし、サマーインターンシップが就活の第1ステップになっていて、そこから本選につながる会社も多いので、そこに乗っていくと就活は楽ではある。強い志望がある場合はそこに全力を注ぐことは言うまでもない。
次に彼が困っていたのは「志望動機が書けない」ということだ。まさか「親のすすめ」や「小さい時から好き」と書くわけにはいかないと本人もわかっている。まずはエントリーシートでの選考があるため、それに合格しなくてはならない。
そこはあまり悩まずシンプルに「ぜひ、貴社で営業体験をしたいと思いインターンシップに申し込みます」と書けばよい。志望動機は選定のきっかけを正直に告白するものではなく、インターンシップで何を体験したいかを中心に書こう。
サマーインターンシップ先はいくつか気になる業界を2~5つくらいピックアップし、大手と中小を受けてみる。横に広げるだけでなく、縦にも深めること。「自分には向かない気はするが、あえてIT(情報技術)業界に行ってみて検討した」という人もいる。
(ハナマルキャリア総合研究所代表)http://hanamaru-souken.com/