「インターンシップの志望動機が書けません」。学生たちからこうした質問が数多く寄せられる。「志望動機」が難しいのはわかるが、まだインターンシップなので気楽に考えればよい。「貴社に企業研究に伺いたいと思い、参加を希望します」というのが一番シンプルな書き方だ。ところがそれを400字や600字の長い文章にしなくてはならないとなると、はたと困ってしまう。
ある会社のエントリーシートの志望動機の聞き方はとても親切だった。「自己分析とそれを踏まえたインターンシップの志望理由をお答えください」というものである。これは書き方のよいヒントになると思う。まずは自己分析で自分の長所を理解し、それを踏まえて、どのように働けそうかを研究しに行きたいというストーリーにすればよい。「なぜ御社なのか」の理由が自分の長所と結びついて説得力が増す。
ただ、これを600字で書くとなると少し企業研究が必要になってくる。インターンシップは実地を通してその企業の研究をしに行くのだが、ある程度、事前の研究も必要である。では、前もって何をどこまで調べればいいのか。
会社説明会に行ければいいが、行けなかったら、ホームページをよく見て研究しよう。大手の企業であればホームページにも最低2種類ある。顧客向け一般ホームページと採用に特化したページだ。どちらも見てみよう。採用ページには「求める人材」が載っているので、それに沿った長所を挙げればよい。
一般のホームページでは、この会社の「取扱商品」について知ることを第一に見よう。何を取り扱って利益を得ているのかを知ることが一番大事だ。特にBtoB(企業間取引)の会社は、どんな形で利益を生み出しているのか、外からはわかりづらい場合もある。
次に、あるおもちゃメーカーの人事の担当者が言っていたのだが、「どんな部署があるのか、組織図を見てきてほしい」そうだ。大まかでいいので、そもそもどんな仕事をするセクションがあるのか知っておいてほしいということだった。会社の骨組みにあたるものである。
時々、企業研究は「経営理念を調べよう」というアドバイスを聞くことがある。もちろんそれも大事だが、二の次だと思う。経営者にとっては「理念」は大事だが、大手企業の経営理念を見るにつけ、キャッチコピーはカッコよくしてあるが、「社会に貢献する」「人類の幸せを創造する」というようなことと表現が少し違うだけの場合が多い。どの会社も似たり寄ったりである。
(ハナマルキャリア総合研究所代表)http://hanamaru-souken.com/