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【就活のリアル転載】内定式の意味 入社後へ気持ち切り替え 上田晶美(2019/10/15付日本経済新聞 夕刊)(2019/10/22)


 10月1日は内定式の日だった。それぞれの内定先に出向いた学生たちから続々と報告が来た。ある女子学生は「女子同士で話ができて、気が合うなと感じてほっとしました」と言っていた。内定ブルーという言葉があるが、それを払拭してくれるものだといえる。

 就職協定における内定解禁日に行われる内定式は大手企業中心にほとんどの会社で実施される。一つの区切りとなるものであるが、今年は形骸化しているとの理由から取りやめる企業も出てきたという。大丈夫だろうか。

 内定式は通常どんなことが行われるのかというと、次の3つが定番である。まずは内定書の授与または内定承諾書にサインする。次に社長や役員からの講話。それから懇親会だ。この3つからわかるのは、内定式の意味とはまず内定者と辞退者を明確にし、入社予定者を確定するものであるということ。つまりこの日以前の内定は内々定であり、辞退も多く、内定式に出るのが正式な内定となる。

 ここからは辞退することは道義的に難しくなる。法的には辞退できるが、通常内定式に出てからは、卒業できなかったなどの理由以外では辞退はしないとされている。しかし内定式が終わってからも辞退するつわものはいるので、歯止めをかける狙いもある。懇親会を開くことで、内定者の引き留め、いわゆるグリップを図る意味がある。

 内定式に出た学生からの感想をあげてみると「いよいよ入社するんだと思い、気持ちが引き締まった」「内定者よりも社員の方がたくさん集まってくれて、良い会社だと改めて安心した」などだ。

 中にはTOEICを受験させた会社があった。なかなかのスパルタである。学生は内定が出て就活が終わるとパッタリと勉強しなくなるので、向上心を持続させるためか。通信教育の教材を渡す会社はあるが、自主性に任せるところが多い。

 TOEIC受験は意識だけでなく、その結果が配属に関係していくのかもしれない。実際、配属に関するヒアリングをされた会社もあったそうだ。勝手に配属されるのではなく、話し合いができるのは良いことだ。内定が出るまでは学生は「どこでも行きます」と言いがちで本音は言えないもの。入社後すぐに配属になる会社であれば、今のうちに話し合いができるのは助かる。

 もともと内定式をしない会社もある。引き続きまだ採用を行っている場合、途中で内定式は開催しにくい。まだ内定を得ていない学生のみなさんは、あきらめずに卒業まで就活しよう。卒業まではまだ半年ある。

(ハナマルキャリア総合研究所代表)http://hanamaru-souken.com/


     

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