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【就活のリアル転載】ウェブ面接の注意点 気持ち込めて話す準備を 上田晶美(2019/12/3付 日本経済新聞 夕刊)(2019/12/10)


 「初めてのウェブ面接があるんですが、注意点を教えてください」。大学3年生から質問を受けた。既に冬のインターンシップに向けて、説明会や面接がスタートしているのだ。今年の新潮流として動画選考の増加が挙げられる。

 以前、動画エントリーについての注意点は書いたが、今年は面接にも導入されはじめた。遠方の学生にとっては交通費や移動時間がかからず助かるし、企業側も会場の手配の手間が省け、良い面は多い。これからはさらに増えるに違いない。

 ただ、まだ学生はウェブ面接には慣れていないため、余計に緊張するようだ。動画エントリーのように何度も撮り直しができるわけではないし、対面で話すのは勝手が違う。パソコンに向かって話すのは、普段の会話のようにはいかない。友達同士でパソコンを使い、ウェブを通して実際に会話して慣れることをおすすめする。私はよく遠方の相談者の人とウェブ面談をしているので、その際の注意点を書いてみたい。

 ウェブ面接の注意点はまず、パソコンとの距離。あまりに近いとぼそぼそと話すようになり、相談ならかまわないが、面接にはふさわしくない。大きな声で明るくはっきりと話すためにはパソコンから1メートルくらい離れた方が、しっかりと声を出しやすくなる。

 次に目線の高さに気を付ける。パソコンを机に置いて座るとパソコンの位置が低く、顔がかぶさってしまい暗くなる。カメラの位置と目の高さが水平になるようセッティングしよう。

 自分の背景にも気を使うこと。自分の部屋だと、後ろに衣類や本棚が映ったりしがちなので、後ろは壁などすっきりとしている所を選ぼう。セッティングにはけっこう時間がかかりそうだ。準備万全にし、余裕を持って受けるようにしたい。

 話し方は、姿勢よく、明るくはきはき話すよう注意する。スカイプなどでは、自分の顔が子画面に映るので、明るく話せているか確認しながら練習してみるといい。

 先日、とあるエンターテインメント最大手の会社の面接担当経験者と話す機会があり、面接では何を見ているのかを聞いてみたら「心からの笑顔かどうか」ということだった。ウェブ面接でどこまでわかるのか、という疑問もあるが、面接を受ける方としては「心が届く」くらい気持ちを込めて話せるよう練習して臨んでほしい。

 一次面接であってもウェブでも全力投球で。相手はパソコンの画面に映る2次元なのだが、実在の人事担当者がそこにいると思って話せるように練習しよう。

 

(ハナマルキャリア総合研究所代表)http://hanamaru-souken.com/


     

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