知っておきたい就活情報

【就活のリアル転載】エントリー社数の目安 コロナ影響考慮し多めに 上田晶美(2020/3/24付 日本経済新聞 夕刊)(2020/03/31)


 「何社ぐらいエントリーすればいいものでしょうか?」と学生から質問を受けた。これは毎年よく聞かれる質問だが、今年は特に新型コロナウイルスの影響で、会社説明会の日程などが当初の予定とは狂ってきている。それで余計に心配になっているようだ。

 学生が会社にエントリーする数はここ3年間毎年減り続けている。マイナビの調査によれば、2017年卒の3月の平均エントリー数は30.6社、18年卒は27.9社、19年卒は20.7社となっている。売り手市場による影響が大きいと思われるが、インターンシップで事前選考が進んでいることなど、選考手法の多様化も考えられる。

 では今年の学生たちの目安となるエントリー数は何社程度か。就活は人それぞれではあるが、エントリーは少なすぎても多すぎても納得内定に結びつかない危険性があるため、ある程度の目安は持っておいた方がいいと思う。なぜなら会社へのエントリーというのは、大学受験のときの受験の申し込みとは少し違い、そこから現実的な企業研究が始まるという側面があるからだ。

 エントリーして説明会に行き、エントリーシートを提出し、筆記試験に受かれば面接に行けるというのが通常の就職試験のパターンになる。その面接も大手企業の場合は3回はある。それらの合否はもちろん会社側から出されるのだが、実は面接が進む過程で学生の方からも検討していくのである。

 自分のビジョンに合っている会社かどうか、働きやすい職場なのかどうか、実際に面接のために会社を訪問して、人や会社を見ながら、次の選考に進むかどうか、相性を見きわめていくものなのだ。受けているエントリー数が少なすぎると、その検討過程に入れる会社が少なくなってしまい、ミスマッチが起きてしまう危険性がある。

 だからといって手当たり次第、気になる会社にたくさんエントリーすればいいかというと、それはそれで弊害がある。広げすぎると企業研究が十分できずに内容の薄いエントリーシートになってしまう。通過できず、結局面接に行ける会社は一握りになってしまいかねない。

 そこでエントリー数の目安としては今年も20社程度かと思うのだが、私としては、新型コロナの影響があり、ウェブでの説明会や面接が増えていることを鑑みると、少し多めにエントリーする方がいいように思う。ウェブではお互いにわからないことが多すぎるためだ。新型コロナが収まって実際に会社に出向けるようになってから、企業を検討できるように数を残しておきたい。

(ハナマルキャリア総合研究所代表)http://hanamaru-souken.com/


     

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