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【就活のリアル転載】インターン、原則ウェブ化 企業研究は在宅でもできる 上田晶美(2020/5/26付 日本経済新聞 夕刊)(2020/06/02)


 「今年のインターンシップはどうなるんですか?」。このところ大学のキャリアセンターの職員によく聞かれる。例年ならば8月に行われるインターンシップだが、コロナ禍の行方の不透明な今夏、はたして開催できるのかという不安を抱えつつ、次の2022年就活に向かう3年生向けのインターンシップの就活サイトはオープンし始めた。

 各企業に取材してみると、「開催する」という企業が多く、「基本はウェブ」で状況に応じて内容を変えられるように準備しているという。オンラインでの企業説明やグループワークを開発しているそうだ。「職場体験」の意味合いは少なくなり、もはや早めの会社説明会になるという感は否めないが。

 それでもインターンシップは必要というのが大方の見方だ。なぜなら4年生で現在内定が出ている人の多くは早期のインターンシップを経験しており、この外出困難な事態になって「インターンシップが救世主だった」という人もいる。企業はインターンシップで本人に会っている場合は、その後はウェブ面接だけでも内定を出しやすい。

 企業側にとっても、学生にとってもこのコロナという「不測の事態」に対応できたのはインターンシップのおかげと言えなくもない。5月初めの速報値で内定率50.2%というほぼ昨年同様の高い数字が出ており(キャリタス調べ)、これだけ見るとコロナ禍はいったいどこにいったのかとさえ思うほどだ。

 こう見ていくと、本当に就活のコロナ禍に直面するのは、次の学年の3年生なのではないかと思えてくる。それには3つの要因が挙げられる。第1に一番大きな打撃は、リーマン・ショック以上となりそうな景気の落ち込みによる採用減である。

 第2に、就活の初めの段階からのウェブ化により、学生の企業研究は浅いものになりそうだという懸念だ。

 第3に、そもそも基本となる学生時代の学びや実体験が乏しくなってしまうのではないか、という心配がある。しばらく留学には行けない。それどころか、3年生の前期は大学にも行けない。理系の実験、実習、文系のフィールドワークもない。こうした学問だけでなくサークル活動もアルバイトも同様である。大学生活の経験について語ることの多い面接で、いったい何を話せばいいのか。後期に巻き返しができることを祈りたい。

 ともかく、まずはインターンシップを契機として、企業研究からスタートである。コロナに関係なく、在宅でも量や質を自分で補っていけるはずだ。ウェブ化は「不測の事態」ではないのだから。

(ハナマルキャリア総合研究所代表)http://hanamaru-souken.com/


     

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