知っておきたい就活情報

【就活のリアル転載】「学生時代、力を入れたこと」 コロナ禍での工夫 記述を 上田晶美(2020/12/8付 日本経済新聞 夕刊)(2020/12/15)


 「学生時代のエピソードと言われても、書くことがありません。コロナ禍で留学は中止、サークルも満足に活動できず、自己ピーアールできるか不安です」。3年生はインターンシップ申し込みのエントリーシートを書いている時期だが、書く内容に困って相談にきた。こういう学生は全国的に多いことと思う。

 コロナ禍で学生生活の多くが制限されてしまい、大学構内にすら入れなかった学生たち。そのせいで今、就活のスタート時で立ち止まってしまっている人が多いように見受けられる。

 就活の3大質問と言われる「学生時代、力を入れたこと」「自己ピーアール」「志望動機」。すべてに学生生活の経験、エピソードを書いて伝えていくことが求められるからだ。その中でも特に困るのが「学生時代一番力を入れたこと」、いわゆる「学チカ」であろう。それをタイトル20文字、取り組んだ理由を50文字、内容を具体的に100文字、その結果得られたことを50文字、という流れで書き分けさせられる。

 昨年までなら、勉学、部・サークル活動、アルバイトについて書く人が多かった。学生生活の3大トピックスといえるものだが、今年はどれもコロナ禍で思い通りにはいかなかった。しかもそれが仕上げの3年生だったということを思うと、さらに気の毒である。

 苦肉の策として方法は2つ考えられる。一つは高校時代のことからつなげて書くこと。実は短期大学生ならば、コロナ禍でなくてももともと2年間の大学生活なので、勉学のこと以外は、高校時代までの部活動などの経験を主に書く人が多い。

 ただ、その時、大学生活とつなげて書くことをおすすめする。「高校時代はバレー部で活動しており、大学生になってからも地元の友人たちと集まって、月に一度OGチームとして活動しています」という具合だ。ただし、高校時代はよいが、あまり過去のことになりすぎないようにしたい。小、中学生のときのことまで遡ってしまうと、ほのぼのした話題にはなるが、仕事に結びつきづらいからだ。

 2点目はコロナ禍でどう工夫したかを中心に書く方法だ。大学のウェブ講義にどのように周りに働きかけて積極的に参加したか、また、その中でどういう力がついたか。サークル活動も学園祭をオンラインにして開催したなど、苦境を乗り越えた話として伝える。

 全ての就活生が同じ苦労をしているのだから、条件は同じである。コロナ禍でなにをしていたか、現在進行形でどう乗り越えようとしているかをしっかり伝えよう。

(ハナマルキャリア総合研究所代表)http://hanamaru-souken.com/


     

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