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【就活のリアル転載】オンライン面接が苦手 機器整え笑顔で返事を 上田晶美(2022/10/4付 日本経済新聞 夕刊)(2022/10/11)


 面接が苦手で内定がないという4年生の女子学生の面接の練習を引き受けた。何社か面接で落ちて心が折れ、就活そのものを断念してしまったという。初回はオンラインで話したところ、反応の薄い消極的な人だな、というのが第一印象だった。

 問いかけに対してさっと返事が返ってこないし、ずっと伏し目がちで、こちらをしっかりと見てくれない。コミュニケーションに難がある人に見えてしまい、仕事でのやり取りは難しそうな印象だった。そんな彼女が一念発起してよく相談に来てくれたと思う。

 ところが、2回目に彼女が事務所に来て、対面で面談したところ、あまりにもオンラインと印象が違っていて驚いた。実際に会うと彼女は好印象の人だった。服装はきちんとして清潔感があり、洗練されていて、しっかりとした声で話せる。視線も合うし、会話のやり取りに全く問題はなかった。話し方は確かにゆっくりだが、考えながら話しているなという程度で、話す中身をブラッシュアップしていけば、十分内定は取れそうだ。

 彼女が苦手なのは面接ではなくて、オンラインということのようだ。

 ある民間会社の調査では、2023年大卒予定者の選考で約8割の会社がオンラインを導入している一方、最終面接が対面なのは7割という。オンライン面接が一次選考など初期の段階で行われるとなると、彼女のようにオンラインが苦手な人は出ばなをくじかれて全く前に進めない状態に陥る。一次面接で落ち続けていると苦手意識が強くなってしまい、就活全体が嫌になってしまう人も一定数いるのではないかと感じた。

 オンライン面接が苦手なのだという理由が分かれば、対策は2つ考えられる。いきなり対面での面接を行う残り2割の会社を選んで受けるか、オンライン面接の対策を集中して行うか。後々の社会人生活のことも考え、避けては通れないオンラインを好印象にする対策を進めることにした。

 オンライン面接の上達法はいくつかある。まず、機器類の問題を改善する。ライトを明るくし、パソコンの高さを調整。簡単なことだが、できていない人も見受けられる。画面が明るくなるだけで、第一印象は変わるものだ。昨年6社の内定を得た人はライトを2つ付けていた。そこまでしなくても一つでいいので、顔を明るく照らすこと。パソコンのカメラ位置を自分の目線と水平にしておくことも基本である。

 2つ目は返事の仕方を変える。返事は声だけでなく、うなずきながら目に見える形で反応すること。3つ目は笑顔で話す練習だ。パソコンに向かって笑顔で話すのは不自然な行為なので慣れが必要である。

 まだ内定のない皆さん、面接が苦手な原因を追究して、あきらめずに就活を進めてほしい。

(ハナマルキャリア総合研究所代表)http://hanamaru-souken.com/


     

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