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【就活のリアル転載】インターンシップ改革 新しいルールで現実的に 海老原嗣生(2023/1/10付 日本経済新聞 夕刊)(2023/01/17)


 「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」(産学協議会)が、2022年4月に21年度報告書を公表し、その中でインターンシップなどについて新たな定義を示した。以下、その趣旨をなぞりながら、評価する点と、改善を望む点を指摘していくことにしよう。

 まず、学生のキャリア形成支援について以下の4類型が定義された。ひとつは「オープン・カンパニー」といい、企業紹介・事業紹介的なもの。基本的に就業体験無しの座学型だ。従来のワンデー型に相当する。

 次に「キャリア教育」で、働くことや、業界、職務などを学ぶのが目的だ。大学主導で単位化できるものや、企業の社会的責任(CSR)の目的で行うもので、就業体験はあってもなくてもよい。ワンデー型以外のこれまでのインターンシップの多くがここに入ると思われる。

 3つ目が「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」で、専門を問わず発揮する能力・人間力や適性などを見るためのものと、専門能力が生かせるかどうかを見るためのものがある。汎用的能力活用型は5日以上、専門活用型は2週間以上の日数を必要とし、そのうちの半分超の日数は職場で就業体験することが必須となる。

 加えて「ジョブ型研究インターンシップ」が試行されており、その結果を踏まえて、「高度専門型インターンシップ」が今後追加される可能性があるという。

 新たな定義では、オープン・カンパニー型とキャリア教育型はインターンシップと称されていない。分類がわかったところで、まずは今回の取り組みで評価すべき点を挙げてみる。

 (1)汎用的能力・専門活用型やジョブ型研究では採用につなげることが認められた。(2)必要日数や就業体験の要不要が明らかになった。(3)日当支払いの可否(ジョブ型研究は有給、汎用的能力・専門活用型は就業期間に社員と同等の職務を行った場合、支払いが可能)が示された。

 また、(4)企業側に「学生の学業への配慮」が記載され、努力義務化された。(5)オープン・カンパニー型とキャリア教育型は就業体験のないリモート開催なども正式に認められた。(6)実施対象と時期が明示された(オープン・カンパニー型とキャリア教育型は学士・修士・博士課程の全期間、汎用的能力・専門活用型は学部生3.4年、修士1.2年の長期休暇期間、など)ことは評価できる。

 新たなルールでより現実的になってきたが、まだ踏み込みが足りないと思われるのはオープン・カンパニー型とキャリア教育型だ。基本的に開催時期の縛りがない。

 従来はインターンシップの名を借りた会社説明会が頻繁に開催されていた。それが採用の早期化と学業阻害の原因ともなっていたため、開催時期にルールを設けることを強く主張したいところだ。

(雇用ジャーナリスト)


     

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