「インターンシップに行きたいと思っても、自分が何がやりたいのかさっぱりわからず、申し込めません」と都内の大学3年生が相談に来た。そもそも大学3年生になりたてでやりたいことが決まっている人は一握りだと思う。
当然一握りながら戦略的な人もいるにはいる。今年出会った3人の学生の戦略をまずは披露してみる。
私大理工学部4年生のAさんは小さい頃から電車が好き。鉄道会社に入るにはどうしたらよいかと考え、進路の選択をしてきた。大学の学部を選ぶ際、理系の中でも鉄道会社に入るには、線路を持つ会社なので土木学科がよいのではと考えて入学し、今年、鉄道会社に見事内定を得た。
私大経営学部4年生のBさん。アニメが好きで、高校まではアニメサークルに所属したが、描くのが仕事のアニメーターには向いていないとわかった。やりたいのは制作側だと思い、大学では演劇サークルに入って脚本、舞台監督を務めた。その活動に関心を持ってもらい、アニメ映画制作会社の面接が最終段階に来ている。
英国の大学3年生のCさん。スポーツビジネスに携わりたいと中学卒業の時に志した。高校から海外の学校に行き英語を身につけ、英国の全寮制の大学でスポーツビジネスについて学んできた。この夏は日本に帰りインターンシップに参加するという。働きたいのは日本の会社だそうだ。
なんと戦略的な学生がいることか。驚くばかりだが、これらの3人はほんの一握りの特別な人たちなので、くれぐれも自分と比較しないように。どうしてそんなに早熟なのか、こちらが聞きたいくらいである。
相談にきた3年生をはじめ、過去には戻れない。そんな多くの大学生の皆さんにインターンシップの業界選択についてアドバイスするならば、これまでの経験にひも付けて仮決定してはどうだろうか。
例えば大学のマーケティングの講義の中でケーススタディーとして取り上げた業界。サークルが運動系なら、その競技の用具メーカー。または映画好きなら映画業界、旅行、音楽業界など。
もちろん趣味は簡単には仕事にはできないものだが、最終的に入れるかどうかは別として、チャレンジしてみる価値はある。少なくとも本番の就活の前にインターンシップでチャレンジしてみてほしい。
または身近な先輩が入っている業界も検討しよう。学科の先輩、サークルの先輩がどのようにその経験を就活に生かしたのかを聞いてみよう。
ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)や自己PR、志望動機のエピソードが豊富で志望先と関連付けることができれば、会社側にも関心を持ってもらいやすい。
(ハナマルキャリア総合研究所代表)http://hanamaru-souken.com/