知っておきたい就活情報

【就活のリアル転載】面接での自己紹介 PRと違い、手短に30秒で 上田晶美(2025/1/21日本経済新聞 夕刊)(2025/02/04)


 「自己紹介と自己PRの違いはなんですか?」と都内私立女子大学で3年生のカウンセリングを担当した際に質問された。エントリーシートはよく書けており、それを見ながら面接の練習をしたいということだった。3年生で今の段階でここまで準備できていれば、先頭集団といえる。翌週、インターンシップではなく、本選考の1次面接、2次面接が控えているという。

 ウェブで実施された1次面接はとても和やかで雑談のような会話だったそうだ。その中で冒頭で、「自己紹介をどうぞ」を聞かれたという。

 面接は基本的には提出されたエントリーシートを見ながら、それに沿って進み質問されていく。だが、会社側も人によって質問の仕方は異なってくる。もう一度口頭で話してもらってから質問する人、読んだ上で質問から入る人。聞く項目も違って当然だ。

 そこで、エントリーシートをもとによく出される質問を「3大質問」と私は整理してきた。「自己PR、学生時代力を入れたこと、志望動機」のことだ。

 単に「自己PRをどうぞ」ではなく、「どんな性格だと人から言われますか?」とか「あなたの長所はどんなところですか?」などと聞く人もいる。それらに対して答えるときは「自己PR」としての内容でよいと思う。

 「自己紹介をどうぞ」への回答も自己PRと同じでよい気もするが、最近は「5大質問」として、「3大質問」にあと2つ「自己紹介」と「長所・短所」を加える場合もあるようだ。「長所・短所」は自己PRと重複するが、聞かれる場合のひとつのバリエーションとして回答を準備しておくのがよいだろう。

 解説すると「自己紹介」は面接の冒頭で聞かれる場合が多く、いわゆる名刺代わり。なので、やってきたことを詳しく話すというよりも、アウトラインの紹介になる。

 自己PRは具体的なエピソードまで話すのに比べて、自己紹介は短めに。一般的に「大学で学んでいる内容とその他の部活・サークル活動」を話す人が多い。名刺代わりなので、手短に30秒くらいでまとめるには「学業と部活サークル」についての2つがよいかと思う。

 部活やサークル歴のない人は「ボランティア」や「趣味」などについて話そう。アルバイトも受ける企業に関連のある場合はよいだろう。第一印象を形成するので話のフックになる。

 ある学生は学業とサークル活動について話した後に、「今日は私の粘り強さと忍耐力という長所をお伝えできるとうれしいです。よろしくお願いいたします」と結んでいてびっくりした。よく準備できているなあという印象にはなる。

 そういったこともネットには会社別に体験談として書き込みがある。できる対策はした上で、練習してから面接に臨みたい。
 
(ハナマルキャリア総合研究所代表)http://hanamaru-souken.com/



前のページに戻る