「一次面接で『質問はありますか』などと聞かれるそうなのですが、逆質問では何を聞けばよいでしょうか」と大学3年生の女子に質問された。
昨今はネットのクチコミサイトで、各社の面接に先に臨んだ人が受けた質問が共有されており、あらかじめ準備できるようになっている。3月に企業による採用広報が解禁され、水面下で面接がスタートした会社もある。彼女は数々のインターンシップの選考を受けているので、既に主要な想定質問に対する答えはできているようだ。そこで心配なのが逆質問だという。
面接の始めから逆質問という手ごわいケースもあるが、たいていの場合、終わりに「最後に質問はありますか?」と聞かれるものを指す。これには2つ注意点がある。
1つ目は締めくくりとして聞いているので、あまりたくさんの質問をするのは時間オーバーになると思われ、ふさわしくない。なので、1つもしくは2つに絞って聞くようにしたい。
そして2つ目は、聞かないほうがいい質問が2種類ある。まず報酬、配属などの条件面について細かく聞くこと。住宅手当が出るかとか、社員研修はどのようなものがあるかなどだ。福利厚生などの条件で選んでいるというイメージはあまり仕事自体への意欲を感じさせないし、わざわざ面接で質問することではないからだ。
ただし、「配属の希望はどのくらい聞いてもらえるか」や「いつ頃決まるのか」などは、最終段階の面接ならば聞きたいところだ。今回は一次面接など初期の面接についての質問なので、そこまで踏み込むと飛躍しすぎる。
次に、質問するのがあまりふさわしくないのは個人的なことである。「〇〇さんはどうしてこの会社を選ばれたんですか」などと、相手を困らせる質問をするのはやめたほうが無難である。また「御社の10年後のビジョンを教えてください」など、一般の社員が答えづらいことも避けた方がよいだろう。
ではどんな質問がいいのか。「〇〇の業務について具体的に教えていただけますか」など、やりたいことについて質問するのがお勧めである。「詳しく話せる担当部署の者とつなぎます」と紹介してもらえると非常にラッキーだ。やりたいこともアピールできるし、実際に内定まで進めたら、配属先として考慮してもらえるかもしれない。
面接の質問では会社側から、よく「具体的に教えてください」と聞かれる。学生からの逆質問の際も同様に聞いてみよう。面接は互いに「具体的に知りたいことを知る」の応酬といっても過言ではない。自分の興味関心をアピールしよう。
面接は自分の長所をアピールするところ。入社して取り組みたいことについて具体的に聞こう。仕事に対する意欲を印象づけられる。
(ハナマルキャリア総合研究所代表)http://hanamaru-souken.com/