大学は夏休みに入ったところが多く、「オープンキャンパス」が花盛りだ。志望校を決めるために高校1年生から参加する。確かに、高3の夏にはAO入試の希望を出したり、受験勉強も忙しくなったりすることから、1年生から参加するのもうなずける。
しかも高校生なので保護者が一緒のことが多く、キャンパスはいつもと違う景色のにぎわいとなる。私もオープンキャンパスで保護者向けの講演をすることがある。大学では就活をどのように進めるかや、進路についてなどがテーマである。
オープンキャンパスの運営は学生のボランティアスタッフが中核となってくる。先日、その事前ミーティングを聞く機会があった。
まずは職員が資料を配り説明していくが、途中からは担当ごとに分かれてリーダーを決め、自主的に進めていた。和気あいあいとした中にも真剣に話し合っている姿を頼もしく感じた。学生に聞いてみると「私はオープンキャンパスに来て先輩たちのお話を聞き、この学校にしようと決めたので、責任の重さを感じています」と言っていた。
学生時代、アルバイトはしても部活・サークル活動はしない人が多くなった。アルバイトに時間を取りたいためか、講義が終わるとさっさと帰って行く姿をよく見る。そこで就活の際、聞かれて困るようになったのが「大学時代に一番力を入れたこと」いわゆる「学チカ」である。
一番力を入れたのがアルバイトというのはおかしな感じがするからだ。まるでアルバイトをするために大学に入ったようになってしまう。まずは学業が一番だが、学業以外では部活やサークル、大学内のボランティア活動の話題がおすすめである。どんな風に人とかかわってきたか、チームワークが取れるか、について表現できる。どんな役割を担ったか、どんな工夫をしたのかを語ればよい。
また以前勤めていた都内の他大学では、学生の「学内アルバイト」というものがあった。図書館のスタッフやパソコン操作のサポートデスク、講師のアシスタントなど。おそらくそう高い時給ではないが、大学や後輩に貢献でき、先生方とも親しくなれて良い制度だと思った。
サークルのように先輩後輩のつながりができ、愛校心が強くなる。そういった縦のつながりというのは、就活の際にも先輩の動向を聞く機会ができ、大変有益である。
一方で就活になると同様にオープン・カンパニーと呼ばれる企業や業界の説明会がある。大学1年生から参加可能とされている。3年生を対象とした現状のインターンシップは、実質的に採用の第1次選考となっている場合が多いため、もっとフラットに低学年からオープン・カンパニーで企業研究をしてほしい。
(ハナマルキャリア総合研究所代表)http://hanamaru-souken.com/