
昨今の就職活動で、インターンシップ等のキャリア形成支援プログラムは欠かせないプロセスの一つだ。当センターの調べでは、現在の大学3年生の昨年9月時点でのプログラム参加率は74.2%。秋冬も開催されていることを鑑みれば、様々なインターンシップ等への参加を経て、自身が志望する会社の本選考へと駒を進める学生が多いことがわかる。
そもそもインターンシップはあくまでも教育目的であり、採用活動とは別物として導入された背景を持つ。とはいえ、企業は自社に合う人材を求め、学生は早く内定をもらって安心したいという、それぞれの思惑が重なる部分もあった。そこで2025年卒以降は、1~2日といった短期ではなく、5日間以上の参加など一定の条件を満たしたプログラムのみを「インターンシップ」とし、学生の情報を採用活動に活用できるとする新たなルールを政府は定めた。
これまでインターンシップは教育目的であり、採用活動ではないという前提が設けられていた背景には、企業と学生との接触の早期化につながり「学業阻害になるのではないか」という懸念がある。
現在の大学3年生にインターンシップ等による他の活動時間への影響を聞いたところ、「アルバイトの時間を削った」との回答がもっとも多く、文系で48.8%、理系で46.3%だった。
次いで「個人の趣味の時間を削った」が同28.8%、37.2%。「授業や研究発表等を欠席した」学生も同23.5%、13.8%と一定数を占め、学業への物理的な影響がないとは言い切れない状況だ。
一方で注目したいのが、インターンシップ等への参加前後での変化として「学習に取り組む意欲が高まった」と回答した学生が文系・理系全体で76.2%いたことだ。「大学・大学院でこれから学びたいことがより具体的になった」と回答した学生も全体で69%となっている。
終身雇用を前提に、入社後の社内教育が重視されるメンバーシップ型雇用を主とする日本では、学生時代に勉強してきたことは社会でほとんど評価されていないという声が聞かれることもある。
しかし、インターンシップ等への参加が、将来働くことに備えて今の学びを考え直すきっかけになれば、就活は学業阻害ではなく、むしろ主体的な学びへの意欲を引き出す契機になりうるのではないか。
働き手が自身のキャリアを会社任せにせず、自ら主体的に考えて行動するキャリアオーナーシップが求められるようになってきた昨今、「学ぶこと」と「働くこと」の断絶を前提とするのではなく、双方の好循環を生み出すような就活のあり方へと、見直すべき時期になってきているのではないだろうか。
(インディードリクルートパートナーズリサーチセンター上席主任研究員)