〇フリーターとは
フリーターとは、分かり易く言うと、正社員以外の就労形態(契約社員・派遣社員・アルバイト・パートタイマーなどの非正規雇用)で生計を立てている人のことです。便宜上、15~34歳が対象で、アルバイト学生は含みません。
2016年のデータでは、日本での15~34歳の人口は約2,600万人で、そのうち学生や主婦などを除いた労働人口は約1,700万人です。そして、フリーターは約160万人ですから、15~34歳の働く人(労働人口)の約9%がフリーターです。つまり大まかに言うと、10人に1人はフリーターなのです。
〇フリーター(非正規雇用)の“メリット”と、それウソ・ホント?
フリーターは良いと思うか、良くないと思うかを学生に質問すると、良いと思うと答える人がかなりの割合でいます。良いと思う理由としては、
①働いたり、働かないで自分のやりたいことをしたり、時間を自由度高く使える。
②正社員になると残業をさせられたり、重い責任を負わされたりして大変。
③人それぞれ、いろいろな働き方があって良いと思う。
などが返ってきます。
確かに上記のメリットは一面で正しいです。しかし、もう一歩踏み込んで考えてみる必要があります。
①の「時間を自由度高く使える」ということについては、働く時間(期間)を決めるのは働く人だけが勝手に決められるものではなく、働く人を雇う企業側も決められる、ということをよく認識するべきです。言い換えれば、労働者が働きたくても、企業が働いてほしくない場合は働けないのです。時間の自由度は決して高くないと言えます。
②の「正社員は残業させられたり重い責任を負わされたりして大変」ということについては、「大変」という言葉がその人のホンネを示しています。逃げずに、ある程度の残業をしたり責任を負ったりして、働く人間としての力量を上げていく必要があります。そうしないと、労働者としてどこにも通用しない人になってしまうのです。
③の「いろいろな働き方があって良い」については、飛びぬけた語学力を持っているとか、社会的にハイレベルの資格を保有しているとか、実力があって主体的に判断し行動できる人はこの考えに乗って良いと思います。しかし、一般の多くの人はこの考えに惑わされない方が良いでしょう。「いろいろな働き方があって良い」と宣伝しながら、雇用調整をし易くしたい人たちもいるからです。労働問題に関しては、表面の耳触りの良い言葉に飛びつかず一歩踏みとどまって、労働者側からと経営者側からの両面から、その長短、損得を考えて判断することが必要です。
*次回は正社員(正規雇用)とフリーター(非正規雇用)の処遇の比較の話を述べます。
鏡 清澄(キャリアアドバイザー)